2023.07.25
「技能実習制度の見直し」ベトナムは歓迎・支持
1993年に始まったベトナム人技能実習生の日本への派遣は、一定の成果を挙げる一方で、問題点も露見している。
日本の厚生労働省と法務省出入国在留管理庁はこのほど、在ベトナム日本国大使館と協力し、ベトナムの労働者派遣企業向けに日本の技能実習制度に関するセミナーをハノイ市で開いた。
このセミナーで、労働傷病兵社会省傘下海外労働管理局(DOLAB)のファム・ベト・フオン副局長は、制度開始から30年あまりを経て、累計40万人あまりのベトナムの若者が技能実習生として日本に派遣された実績に触れた。
ベトナムから日本に派遣される技能実習生は2013年の1万0200人から2019年には8万2700人と8倍あまりに急増した。コロナ禍を経て2022年には6万8000人近くとなり、2023年1~6月期は4万0400人あまりとなっている。
現在、日本に技能実習生を派遣する15か国の中でベトナムからが最も多く、技能実習中のベトナム人は20万人あまりに上り、技能実習生の約50%を占める。
ベトナム人技能実習生は、勤勉さ、日本を愛する心、手先の器用さ、聡明さなどの点で、日本からも評価されている。
労働者派遣企業についてフオン副局長は、応募者選考や育成の質向上などにおける努力を評価し、ほとんどの労働者派遣企業が適切な投資を行い、ベトナムと日本の法律を遵守し、質や管理体制、技能実習生のサポートの向上に力を入れていると述べた。ただし、一部には活動が弱く、両国の法令に違反する企業もあることに触れた。
フオン副局長はまた、制度そのものについても1993年の開始から一定の成果が見られる一方で、技能実習生が最低の基本給しか受け取れず日本の労働者と同じようなボーナスや手当を受け取ることができないこと、適切な労働環境が確保されない場合も多いこと、所得が高くないこと、業務に合わなくても職場を変えることができないこと、雇用主の対応が良くないことなどの問題点も露見しているとした上で、日本側の技能実習制度の見直し検討について、ベトナム側はこれを歓迎・支持すると述べた。