東京で24日、日本を公式訪問中のファム・ミン・チン首相と岸田文雄内閣総理大臣の立会いのもと、山田滝雄駐ベトナム日本国特命全権大使とボー・タイン・フン財政次官、グエン・ゴック・ドン交通運輸次官との間で、総額108億1300万円を限度とする円借款1件と、総額5億円を限度とする無償資金協力1件に関する書簡の交換が行われた。

　案件の概要は以下の通り。

＜円借款：第2期ホーチミン市水環境改善計画(第4期)(108億1300万円)＞

　工業化及び都市部への人口集中に伴い、都市部の産業排水及び生活排水が増大しているホーチミン市において、排水・下水道システムの整備を行う。この協力により、ホーチミン市における浸水被害の軽減及び汚水処理能力の向上が図られ、都市・生活衛生環境の改善を通じた脆弱性への対応に寄与することが期待される。

供与条件：
＋金利：年1.0％(コンサルタント部分は年0.01％)
＋償還期間：30年(10年の据置期間を含む)
＋調達条件：一般アンタイド(借款対象となる資機材やサービスの調達先を限定しない)

＜無償資金協力：経済社会開発計画(5億円)＞

　ベトナムの漁船や貨物船舶などに対する海難捜索救助件数が増える中、人員、船艇などの機材不足が深刻な問題となっている。ベトナムの海難救助能力の向上はベトナム漁民の安全につながるだけでなく、日本人の船員が乗り込む船舶及び日本の貨物船舶などが同海域で事故などに遭った際に、海上救助機関による効率的かつ迅速な捜索救助を受けることができ、船舶の安全な航行の確保にもつながる。

　この計画はベトナム政府に対して、日本企業製品を含む海上捜索救助関連機材を供与するもの。ベトナムの海難救助能力の強化を図り、もって社会の安定化を通じたベトナムの経済社会開発に寄与することが期待される。